菊芋を食べることによって、アトピーの症状が軽くなったという報告事例や口コミは複数存在します。
なぜ菊芋がアトピーにに良いのかと言うと、菊芋が腸内環境を整える働きがあると考えられているからです。
今回は菊芋と、菊芋がもたらす腸内環境への作用についてお話ししたいと思います。
基礎:アトピーの人は腸のバリア機能が弱っていることが多い
体の中に入った栄養素が吸収されるのはその大部分は小腸です。
小腸の内部には腸管内壁のバリア機能があり、この機能が弱っていると食べ物に含まれるアレルゲンを吸収しやすくなってしまいます。
皮膚のバリア機能が弱っているだけでなく、腸内のバリア機能が弱っていることも多いのがアトピーの方によくあるケースです。
腸内環境を整えるビフィズス菌や乳酸菌は、アトピーに悩む方にとっては非常に有用な成分であるのです。腸のバリア機能を修復し、食物からのアレルゲン吸収を防ぐことが大切です。
そして菊芋はビフィズス菌を増やす効果があるのです。
菊芋に含まれるイヌリンが腸内環境を整える
菊芋にはイヌリンという水溶性の食物繊維が豊富に含まれています。イヌリンは糖や脂肪の吸収を抑制し、食後の血糖値が急上昇するのも防ぐ働きがあるとされています。
事実、イヌリン成分が配合された、血糖値高めな人向けの「機能性表示食品」も発売されています。しかしイヌリンの効果はこれだけではないのです。
イヌリンは腸内で一部がフラクトオリゴ糖に分解されます。
オリゴ糖と言うと善玉菌のエサとして有名ですよね・・・?フラクトオリゴ糖は善玉菌の好物であり、善玉菌の数を増やす働き&善玉菌を活性化させる働きを担っています。
アトピーの人は、腸内の善玉菌の数が少ないという報告事例があり、善玉菌の数を増やすことが免疫力を高め腸内環境を良化させる。つまりアトピー対策となり得るわけです。
不溶性の食物繊維も積極摂取する
イヌリンは水溶性の食物繊維で、善玉菌を活性化させます。しかし腸内環境を整えるためには水溶性の食物繊維だけでは不十分で、不溶性の食物繊維(難消化性デキストリン)も同時に積極摂取するようにしましょう。
水溶性が善玉菌のエサとなるのに対し、不溶性の食物繊維は便の体積を大きくし、腸の内部を刺激することによって蠕動運動を促します。
(出典:明治HP)
つまり便の排出に寄与するわけで、これはつまり腸内環境の良化に直結するわけです。不溶性の食物繊維を豊富に含む食材としては、
- 穀物
- 切り干し大根
- きくらげ
- 干し柿
これらが代表的です。特に切り干し大根やきくらげなどの乾かした海藻類、根菜類などは豊富に食物繊維を含むのでおすすめです。
2つの食物繊維を効果的に利用することが大切で、食物繊維により腸内環境が良くなると、おならや便の臭いも気にならないようになってきます。
そしてこれは腸内環境良化のサインなのです。 アトピーは外側からのケアだけでなく、内側からの対策、つまり、食物に含まれる成分を吸収する「腸」の対策がとても重要なのです。
菊芋に豊富に含まれる水溶性の食物繊維のイヌリン、穀物や野菜などに含まれる不溶性の難消化性デキストリンを効率よく・バランスよく摂取することが大切ですね。
その他アトピーに良い食べ物
乳酸菌を多く含む食べ物が効果的です。ヨーグルトや酒粕などはその代表例です。
ただし、ヨーグルトの乳酸菌は自分自身の体質と相性があり、体質に合わない場合あまり効果を実感できないでしょう。
複数種類の乳酸菌から自分に合う乳酸菌を見つけるのはなかなか難しいかもしれません。
であれば、まずは善玉菌を増やし、腸内環境を改善させる取り組みをすることの方が効率的に思います。
その代表例が菊芋であり、アトピー対策としても非常に有用な作物だと考えています。